とんからり
作品について
未来をつくるのは子ども、子どもの中に未来がある
劇団風の子が八王子市美山町に拠点を構えて三十年がたちました。日本全国の子どもたちに芝居を届ける旅公演の中で、各地方のあそびや文化、芸能に触れる機会が数多くありました。脈々と流れる人々の思いの深さ、そこから表現される伝統文化、芸能の数々。それは、その土地に根付く人々の思いをこめた豊かさを感じさせてくれます。
そして私たちも、ここ八王子周辺に伝わる伝承あそびやわらべ唄、民話、文化、芸能を今一度見つめ直し、掘り下げ、長い間受け継がれてきた素敵な素材をいかしながら、子どもたちと共に新たな劇空間を創りあげていきたいと思うようになりました。
本来子どもがもっている“あそび心” “イメージ力”を信じ、伝承文化を見直すと同時に、現在と未来を生きる我々と子どもたちの手で、この作品を通して、新たな「あそび」や「文化」を再創造していけたらと思っています。
作・構成演出 中島 研
あらすじ(どちらかを上演します)・・・
「まゆ玉と龍神」
♪ 雨たんもれ龍神の
おおだけ山の黒雲
北へまわれば降るとさ
兄妹が二人きりで暮らす村では、雨が降らずに困っていた。ある日、クモのいと助から「子どもの元気な声があれば雨が降る」と教えられ、草太とまゆは旅に出かけます。
呼ばわり山の泣き虫さんと、笛吹き山のおこりんぼうに会って、二人は龍神淵に辿り着き、雨乞いの歌を歌います。
「でいだらぼっち」
♪ でっけえ山どこだ
きれいな山どこだ
でっけえ山どこだ
美しい山どこだ
山が大好きな大男・でいだらぼっちは、渡り鳥から「北の方にでっかくてきれいな山がある」と聞き、たまらず探しに出かけました。
きれいな山(富士山)をみつけたでいだらぼっちは、自分のそばにおきたいと、おんぶして連れて帰ろうとしましたが・・・
わらべうたと郷土
私たちは、それぞれ生まれ育った土地の空気を吸い、風を、味を、音を、リズム等を五感(官)でいっぱいに吸収して成長していきます。
遠い昔、近い昔、たしかに聞いたことがある
「イナイイナイバー」「オツムテンテン」」
まだ、しゃべれない、うたえない時期に育った環境からの「耳ことば」は、感性を磨き、心を豊かにしていきます。ひざのうえでゆったりと抱かれた安心感、ぬくもり、全身で覚えた快感は、幼い心の財産です。どこかで、だれかがうたったわらべうたを、おもしろかった、楽しかった、うれしかった感動と共に、だれかが、どこかへ運んでいきました。自然や文化的環境のちがいはあってもわらべうたは、その時代を反映してうたわれていきます。
私たちの生活環境がどんなに変わっても、無視されても、わらべうたは、どんな隙間からでも、子どもたちの心にしのびこんで、生命力をかちとってしまいます。子どもにとっては常に新しく、いつも自分たちの真実を表しているのが本当のわらべうたなのです。
あそび・わらべうた研究家 古賀由美子





公演にあたり
作品名 | とんからり |
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上演時間 | 60分(30分、40分も応相談) |
準備時間 | 3時間 |
後片付け | 1時間30分 |
公演可能時期 | 2024年4月下旬~6月上旬、10月~2025年3月 |
公演班人数 | 3人 |
会場条件 | 4間×3間 |
備考 |


スタッフ
作・構成・演出/中島 研 | 美術・衣裳/小峯三奈 | 美術協力/有賀二郎 |
音楽監修/曲尾友克 | 民俗考証/笠井玲子 | 制作/浅野井優子 |
協力/美山町簓獅子舞保存会
協力/宮下囃子保存会 |